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あなたの血圧上昇の犯人は「糖分」かもしれない。高血圧と食事の新発見

『長生きしたければ高血圧のウソに気づきなさい』より #2

■血圧上昇の元凶は糖質かもしれない

Q 糖質と血圧にはどのような関係がありますか?

A 糖質は肥満の主原因で、血圧を上げます

 日本人はカロリーの約60%を炭水化物から摂取しています。そして問題は、それが余ってしまうことにあります。

 クルマ社会や交通機関の発達により、日常生活で歩く距離が昔よりも減ったこと、座って行う仕事が多くなったこと、家事でも電化製品が増えて身体を動かす機会が減ったことで、どうしてもグルコースが余り、肥満になりやすい。と同時に、血圧が上がってしまう人もかなり多いのです。実際、血糖値が50㎎/㎗低下すると収縮期血圧は10㎜Hg低下するというデータが出ています。

 以上のように、高血圧と糖質との関係は、「糖質が多くなることで肥満を引き起こし、それが血圧を上げてしまう」というものですが、実はもう1つのメカニズムがあり、そこには水分が関係してきます。

 血液中に塩分が多いと、それを薄めるために水分が入ります。この現象と同じように、血液中に糖分が多くなっても、それを薄めるために水分が入ってきます。その結果として血管内の内容物が増えて、血圧は上がることになります。こちらはすべての人に共通してあてはまるメカニズムです。

 また糖尿病の人の場合、ほとんどは降圧剤が処方されていますが、不要です。糖尿病治療で根本的な血糖値管理をしっかりすれば、降圧剤はいらないのです。

文:大櫛陽一

『長生きしたければ高血圧のウソに気づきなさい』より構成〉

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大櫛陽一

おおぐし よういち

東海大学名誉教授

1971年大阪大学大学院工学研究科修了。大阪府立羽曳野病院、大阪府立成人病センター、大阪府立母子センター、大阪府立病院などを経て、88年より東海大学医学部教授。2012年より東海大学名誉教授、大櫛医学情報研究所所長。著書に「検査値と病気 間違いだらけの診断基準」(太田出版)「メタボの罠」(角川SSC新書)「コレステロールと中性脂肪で薬は飲むな」(祥伝社新書)「100歳まで長生きできるコレステロール革命」(永岡書店)、近著に「血圧147で薬は飲むな」(小学館)「高血圧のほとんどは薬はいらない! 50歳・男性で155は正常値」(角川SSC 新書)『健康診断「本当の基準値」』(宝島社)などがある。

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  • 大櫛陽一
  • 2024.02.14